AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する
遠い遠い昔のことです。
あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へブツを捨てに行きました。
おばあさんが川でブツを捨てていた時です。
川上のほうから大きな桃がどんどこどんどこと流れてきました。
おばあさんは大喜びして得意の投げ縄で桃を引き寄せました。
そして大層ご満悦でひょっひょっひょと不気味な笑みをこぼしながら、
「今夜は桃の天ぷらじゃぁー!!」
意気揚揚とお家に帰っていきました。
「じじいー!いま帰ったぞ!!」
おばあさんの担いでいる大きな桃を見ておじいさんはびっくり仰天。
「ば、ばあさん……その巨大桃はどこからかっぱらってきたんじゃ!!」
「なんとも人聞きの悪い。川に落ちてたんだよ、川に!」
にやりと笑って、おばあさんは包丁を握りました。
「川…?どうして川なんかにそんな大きな桃が……怪しい…怪しすぎる!!
やめるんじゃばあさんっ!」
おじいさんの制止も聞かず、おばあさんは巨大な包丁を振り上げて桃をまっぷたつに。
「あ…あぶね――――!!いきなり何しやがるくそババア!!」
なんと桃の片方からかわいらしい男の子が飛び出してきました。
男の子は冷や汗をぬぐいつつ、
「はあ…。もう少しで桃もろともまっぷたつになるところだった…。」
「これはどうしたことじゃ!何故男の子が桃の中に…」
「何ということ!これでは今晩のおかずが……こうなったらお前を刺身にしてくれるわ!!」
おばあさんは男の子の首根っこをつかんで、ギラリと光る包丁を振りかざしました。
「う……うわ―――――――!!!」
「ま、待つんじゃばあさん―――――――!!!人殺しだけはしちゃならん!!」
「止めるなじじいっ!今晩のおかずを確保せねばならんのだ!!」
「今晩のおかずなら山で山菜を取ってきたから大丈夫じゃよ!!」
とたんにおばあさんは笑顔になって首根っこをつかんでいた手を離しました。
それから床に落ちてゲホゲホ言ってる男の子に向かって、
「いやですよおじいさん。それを先に言ってくださいな。あらあらよく見るとかわいらしい
男の子じゃないですか。きっと天からの授かり物だわ!今日からあなたはうちの子よ。そうね、
桃太郎と名づけましょう。」
「いきなり態度豹変じゃのうばあさんや…。まあ、いつものことじゃが…。
とりあえず君は今日から家の子供じゃな。」
「な、何勝手なこと言ってるんだよお前ら!!それに俺にはジルって名前が……」
「さあさあ桃太郎、ご飯の時間ですよ。早くこっちにいらっしゃい。」
「聞けよ!!」
こうして桃太郎は強引に2人の子供にされたのでした。
何度となく繰り返した脱走も全部不発に終わり、そんなこんなしているうちに十年の月日が
流れました…
「桃太郎や、桃太郎や。」
「何だよ、ばあさん。」
ビュゥゥゥン!!
桃太郎がめんどくさそうに顔をあげると、とたんにおばあさんの鉄拳が飛んできました。
「ぐふっ!」
「このうら若き乙女に向かって『ばあさん』とはなんだい『ばあさん』とは!!」
おばあさんは鬼のような形相で言い放ちました。
どこが乙女だっ!!
桃太郎はそう叫びたかったのですが、以前うっかり口に出しておばあさんに半殺しのめにあわされ
たので、口には出さずににっこりと微笑みました。
「ああ、失礼しましたおきぬさん(おばあさんの本名)。それで、私に何の御用でしょうか?」
とたんにおばあさんは180度態度をころりと変えて、
「まあ、『おきぬさん』だなんて照れちゃうわ。あのね、桃太郎。このごろ鬼が島の鬼たちが大暴
れしているそうなのよ。」
「ほう……」
「それでね?桃太郎。あなたがその鬼たちを退治すればお宝がっぽがっぽ…じゃなくて、困ってる
人たちを救うことが出来るのよ!もちろん行ってくれるわよね?」
行くって言わなきゃ今すぐ殺る
おばあさんの笑顔は明らかにそう物語っていました。
俺、普通の人に拾われたかったな……
桃太郎はふっと遠い目をしてそう思いましたとさ。
